チコちゃんの博識に毎度驚かされてます。3つの質問のチョイスが絶妙なのも良い。
最近平安時代の生活に興味を持っていて鬼についても調べていたのだけど、詳しく知ることができて大変満足。スキージャンプのK点は映画の宣伝だとして、現在ペットとして飼われているハムスターが全て1匹のメスから始まっているとかさらっと言っていて驚いた。動植物のことはまだまだ未知のことが多いし年々明らかになってきているので引き続き追っていきたいと思う。
以下、視聴メモ。
Q. 鬼って何?
A. 目に見えない何か。日本では古くから「目に見えないもの」を「隠(おん)」と言っていた。非常に恐ろしいもの。1000年以上前、まだ科学的知識のなかった人々にとって雷や洪水、疫病は目に見えない何か=隠の仕業と考えられていた。一方「鬼(き)」は元々「死者の魂」「霊魂」といった目に見えないものと考えられていた。この2つの文字に変化が起きた。隠は発音しにくいので「おに」と言われるようになり、意味が似ている「鬼」にその読みを当てるようになった。平安時代中期に作られた辞書「和名類聚抄」にも記載がある。鬼は隠がなまった言葉だと。
鬼は本来 疫病や災害そのもの、あるいはそれを起こす何ものかであると考えられてきた。つまり、目に見えない恐ろしいもの。時代の経過と共に鬼の概念に変化が生じた。鎌倉時代になると本来目に見えないはずの鬼に形が与えられた(絵に描いた)。鎌倉時代の絵巻 春日権現験記にも赤い鬼が描かれている。が、角はない。疫病の原因である鬼を見える化して相手を明確にしてこいつに勝たなきゃいけないと思わせた。つまり闘争心を掻き立てた。コロナウイルスでも顕微鏡の写真を写すのもそれに似ている。室町時代の絵巻 百鬼夜行絵巻では様々な妖怪が鬼として描かれているように、昔は妖怪も含めて鬼と呼んだ。江戸時代になると人型で角の生えた姿が広まった。その理由としては室町時代から広まった能などの伝統芸能で鬼のお面(般若の面: 怒りや嫉妬で鬼になった女性を表す)に角が生えていたから。
鬼に近い存在は世界中で語り継がれている。インドネシアのチュルルック、ネパールのラケー、ヨーロッパ各地のクランプスなど。
Q. スキージャンプのK点って何?
A. 昔は「極限点」だったけど今は「建築基準点」になりました。スキージャンプはジャンプ台の大きさで種目が分かれているが、ラージヒルの場合踏み切り台からおよそ120m先がK点。このK点を有名にしたのが1994年リレハンメルオリンピック。日本は3人がK点を超えて金メダルが確実とされていたが原田さんが失敗して銀メダルに終わった。そこでK点が有名になった。4年後の長野オリンピックでは原田さんは137mを飛んで金メダルに大きく貢献した。
K点はドイツ語の kritixcher Punkt からきている。意味はこれ以上飛ぶと危険な極限点。K点超えとは危険を伴うほどの大ジャンプ。ジャンプ台ではK点を境に傾斜が緩やかに設計されているため、それを超えると着地が難しくなり転倒の危険性が高い。
(映像では138mの高さを東京タワーからジャンプするとしてCGで再現している。K点超えのジャンプは東京タワーのメインデッキから人が命綱を付けずに時速100km以上の速さで約200m先まで飛ぶことを意味する。)
1960年代後半までは板を揃えて飛ぶクラシックスタイルが主流だったが、1990年代になるとV字飛行が主流になったことでK点超えが続出した。板をV字にすることで選手を押し上げる力が増えるため。選手の滑空技術や着地技術が進化してK点超えの危険性が減ったため、2004年に極限点という意味のK点は消滅した。それに相当するものは140m地点に設定され、安全に着地できる目安という意味の「ヒルサイズ」超えと表現するようになった。元々の120m地点はそのジャンプ台の建築基準点(Konstruktionspunkt)と呼ぶようになった。
Q. ハムスターがカラカラ走り続けるのはなぜ?
A. 1日10km以上走らないとおかしくなってしまうから。一般的にハムスターと呼ばれているのは「ゴールデンハムスター」で、野生では絶滅危惧種。現在ペットで飼われているゴールデンハムスターは全て1930年にシリアで発見された1匹のメスの子孫。ハムスターが走るのは基本的に夜だけ。野生では昼間は巣穴の中で寝ている。体内時計で夜を判断して出てきて迅速に縄張りを見回る。そして一晩で10~20kmもの距離を餌を求めて走り回る。人間に換算するとフルマラソン4回分(約169km)に相当。ハムスターが夜にカラカラと走るのは「走らないと体内時計が崩れて肥満や病気になりやすくなる」から。決して人間が見て楽しむためのものではない。